Medical Information Network for Divers Education and Research ダイバー各自が考えるべきダイビング事故防止
慶松 亮二 株式会社 K.D.S. 代表取締役
既にこの潜水医学講座小田原セミナーも13回を迎え、第7回に「安全潜水の為の自己教育」というタイトルでお話をさ
敷居を低くすると言う事について それぞれの分野の敷居を低くし総合的な視点を持って臨まなければならない言とう事であり、言い換えれば自分の専 これはこの潜水医学講座「小田原セミナー」の有用性を強調なさった言葉ですが、私は同時に我々ダイバーに対しての ここで私事で恐縮ではありますが少し私の事を紹介させていただきます。私は科学者ではありません。 生涯1現役ダイバーとの信念のもと、いつの間にか50余年のダイバー人生を過ごしてきた普通のダイバーです その中で誇れる事はただ一つ、株式会社 KDS設立の1970年以来工事部門、調査部門、ショップ部門、そしてインス 常にアンテナを張り巡らして最新の情報を取り入れるだけでなく、情報を消化できる基礎能力を磨く事こそ「自立して 少なくともInstructorやDM等のリーダーシップたるもの、またこれを認定する指導団体トップたるものは、潜水医学な このような基礎能力を共有することなく業界に流布する情報に接すれば、取捨選択のすべもなく誤った情報を取り込ん
専門分野の事は判らないと言わず勉強し基礎能力を高めなければ人任せの安全対策に自分をゆだねなければなら
その演題の中で現在当たり前に行われている既存の技術を検証し、(勿論自身で実施し)陸上での救命技術と融合さ もっと確実で易しい方法を論理的に考え、取り入れ、普及させる必要があるのではないか?と説いています。その上 田原氏はテクニカルダイビングの第1人者でありその広い見識と真摯な姿勢で有名な方であります。潜水に関する知識 第二の教訓: ただ覚えてはいけない。与えられたら考えて消化し、納得して自分の技術に昇華しなければ本物は もう一人テクニカルダイビングの練達者をご紹介します。 第12回 久保さんは「筋金入りのダイビングオタクです。」と公言しておられますが、全くその通りです。流石オタクと豪語するだけ そしてその実践をバックボーンに 1) 減圧の基礎理論と概念、減圧表を理解せよ。 2) 事前に潜水計画を立て、その範囲内で潜水せよ。 3) 個人差、環境条件を考慮せよ。 4) 浮力コントロールの技能を上げよ。 5) 減圧症は病気であることを理解せよ。 6) 潜水の主体はダイバーであって、コンピューターではない。 7) 良識を使い、想像力を働かせる。 8) 最新の理論と情報に接する機会を作る。 の8項目を上げて締めくくっています。 久保氏はタイトルに沿って減圧手順に的を絞ってお話を展開しておられますが、その中に減圧に限らずダイバーにとっ 1) 潜水に関するの基礎理論と概念を理解せよ。 2) 事前に潜水計画を立て、その範囲内で潜水せよ。 3) 個人差、環境条件を考慮せよ。 4) 浮力コントロールの技能を上げよ。 6) 潜水の主体はダイバーであって、機材ではない。 7) 良識を使い、想像力を働かせる。 8) 最新の理論と情報に接する機会を作る。 何と8項目の内7項目は僅かに単語を置き換えれば潜水全般に対する教訓になるのです。 第三の教訓: 経験と理論を融合して知性を養え。 経験はデーターである。 理論はプログラムである。 データーが無ければどんなプログラムも無用長物。 プログラムが貧弱なら膨大なデーターも正解を導かない。 正しいプログラムを身に付け、少しでも多くのデーターを手にいれたダイバーだけが正解を導 もう一人のダイバーをご紹介しましょう。 潜水団体スリーアイ 代表 第10回潜水医学講座「小田原セミナー」抄録集「ダイバーとトレーニング」 高橋氏はトレーニング理論の中でダイバーのトレーニングは如何に楽に楽しく潜れるかと言う基準を持って行うべきで また第7回の技術的問題点の中では本業の調査作業に於いての潜水と、レジャーダイビングの世界を対比さつつ纏め 1) 減圧のないダイビングはない。潜降(加圧)と浮上(減圧)を強く意識し、充分な対策を 2) バックアップ体制の整備と自らの行動可能範囲を規定し、より安全なダイビングを 3) ダイビングは誰でも出来るが、誰もがどんなダイビングでも出来るわけではない と呼びかけ、その最後を 第四の教訓: 普段に準備し、計画し、バックアップを整え、サポートダイバーを用意し、救助体制を整えよ。 * マッチョだからと言って安全にはつながらない。トレーニングは無理をせず楽に(呼吸/脈拍が * 水深変化は加圧/減圧と思い対策を・ .・今現在の水深での潜水可能時間だけでなく、潜水の * バックアップを用意せよ。サポートダイバーを準備せよ。救助体制を整えよ。 * レジャー、テクニカル、作業、安全に関する姿勢は一つである。 ダイバー界で著名な三人の方の意見をよく見ると、結局同じような結論に達しておられるように思われます。それは ただ教わって、安全も、楽しみ方も、全てを人任せにしていてはいけない。 なぜなら水中は人間が生きていけない環境だからと言っているようにも聞こえます。 何を勉強すればよいのか? 池田先生はおっしゃいました。 自分の専門(ダイビング)以外の分野について、相応の知識を持ってダイビングに臨まなければ、 ダイビングは素晴らしい活動です。 勉強をしましょう。 考えましょう。 そして自立して安全を確保できるダイバーになりましょう。
最後にこのセミナーに関して一言申し述べさせていただきます。 「小田原セミナー」は平成12年1月から始まり今回で13回目を迎えました。 最初は日本高気圧環境・潜水医学会関東地方会が主催し、平成15年から日本高気圧環境・潜水医学会関方会の この場をお借りして日本高気圧環境・潜水医学会の諸先生方、NPO法人潜水医学情報ネットワークの皆さん、さらに |