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論文 1




 潜水現場の自助努力 〜緊急対処と安全管理        

                                   西村 周        伊東市漁業協同組合嘱託




1) 伊東市の現況

 伊東市では、6 漁港と伊豆海洋公園の 7 ヶ所でダイビングサービス等の営業が行われている。また、ダイビングショ
ップは 60 数件を数え、年間のダイバーの利用は 15 万人にのぼる。さらに、潜水士の作業では、浅海漁、定置網漁
港湾工事等の水中作業が行われている。

2) 伊東市漁業協同組合と伊東市ダイバーズ協議会
 伊東市漁業協同組合は、平成 5 年に合併された。各単協で行っていた事故発生時の対処について見直しを行った
結果、減圧症などの再圧治療が必要な事故者への対処が十分でなかったことが認識できた。これを改善するために、
平成 8 年から東海大学病院へ緊急時の患者受け入れ要請を行うほか、伊東市消防本部へは県外搬送について。
伊東市医師会へは、協力要請を行った。その結果、平成 10 年 3 月に緊急連携システムの運用を開始することがで
きた。現在では、静岡県消防防災航空隊、東海大学ドクターヘリのご支援をいただいている。今後、伊豆各地で同様
のシステムの構築が望まれる。
 伊東市ダイバーズ協議会では、市内 27 件のダイビングショップ等で構成される組織で、活動の中に安全対策委員
会を持つ。この委員会では、事故発生時の初期対処、通報等のさまざまな手順が、正しく適切に、かつ、素早く行える
ように訓練するもので、訓練の積み重ねによってのみ機能する。現在では、協議会会員以外の参加もできるように努
力している。現場で正しく適切な対処ができ、正しい情報が伝えられれば、後遺症を少なくし、救命率が高くなると信じ
る。

3) 事故予防と安全管理
 ダイビングの事故予防は、各自の安全を確保するための知識、技術、判断力、自己管理がなければならない。ダイ
ビングは、物理的に多くのリスクを含んでいる。これを理解し、潜水計画や水中での安全管理に反映できなければ、今
後、非常識なトラブルや事故が多発すると考えられる。ダイバー各自が、逃れられないリスクを正しく認識し、自分自身
を守る意識を向上させなければならない。





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